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リコリスの旅84話【第三章】 知識の悪魔
消えたストームブリンガー、その不安を胸に遺跡から脱出を図る。
~ブラッドスカル遺跡~
リコリス「もう大丈夫だ、心配かけてわりぃな。」
野営した跡を片付け、その場を後にする。
遺跡を進むと、小部屋の中に宝箱や、マジックアイテムが保管されていた。
リコリス「おっ!こりゃいいや、戦利品として持って帰ろうぜ。取り分は半分なー!」
ムンゴ「ムワサスー!」
互いに思い思いに部屋を漁る。
さて、最後はこれだな……。
部屋の中央に備え付けられた台座に置かれた黒い本。
リコリス「こんな大事に置かれてるってことは、相当価値のあるもんなんじゃねぇか?」
ムンゴ「…… ナニカ イヤナ ヨカンスル。」
リコリス「マジックアイテムってやつか?持って帰らないほうがいいのかな。中身は……。」
そう言って本を手に取り、中身を確かめる。
リコリス「何々……。リーズル・グレイハート著……か。」
そして文面に目を通した瞬間事は起こった。
リコリス「な、なななななななんだこれ!」
本の文字は浮かび上がり、中空に現れたかと思うと、こちらに飛び出してくる。
文字は首筋、胴体……と体に巻きついて来る。文字は不思議と冷たく不快な感覚を覚える。
リコリス「わ、ワナかあああああああ!!」
体中に巻き付いた文字は実体を得て、ヌメヌメとした触手となる。
リコリス「あっちょ、だめっ!入ってくるなっ!」そのヌルヌルとした不快感に嫌悪を覚える。
そして触手の強い力によって引っ張られ……意識は暗転した。
・
・
・
リコリス「いてて……。何だったんだ、鎧の隙間から入り込んだ触手のせいできもちわりぃ……。」
頭を振って意識をはっきりさせる。
そしてふと……辺りを見渡す。
リコリス「な、なんじゃこりゃあああああああああああ」
辺りの様子は先ほどの遺跡とは一転。
オーロラに彩られ、蠢くように様相を変える緑色の空。
ドロドロとした黒い水が地平線のどこまでも続く海。
その海からは先ほど本から出てきたような触手が大小いたるところから伸びて蠢いている。
床はしっかりしているものの、幾枚もの本のページがばらまかれ、風になびいている。
先に見える建造物や、近くの柱。それらは全て積み上げられそしてねじくれた本で出来上がっている。
どこからどう見ても異形の世界だ。
リコリス「な、なんだここ……!?死後の世界かこりゃ……。」
自分の体を省みて、異常がないか確認する。怪我もおかしいところも何もない。
呼吸も問題なさそうだ。なんとも生臭いなんとも言えない臭いが立ち込めてはいるが。
さてどうしたものか、と思案し始めると頭の中に声が響き始める。
???「また、知識を求めるものが我が領界に入って来たか。」
頭に響く、不気味で名状しがたき恐怖を覚える声。
リコリス「な、なんだこの声……頭に直接……誰だてめぇ!」
ハルメアス・モラ「私はハルメアス・モラ。運命の王子であり秘密の王である。ここはアポクリファ。すべての知識が貯蔵されている。」
ハルメアス・モラ……。ボハンとの勉強会で聞いたことがある……確か……なんだっけ……。
リコリス「で、そのハルメアス・モラ……さんが何の用だ?」
ハルメアス・モラ「……。おそらく、ここに隠された知識を解き明かす知恵を証明するだろう。歓迎しよう。」
リコリス「知識?ってことはもしかして……。」リコリスの目が光る。
リコリス「料理書もあるのか!?ダンマー料理の調理書も!?」
ハルメアス・モラ「……馬鹿か。であれば危険だ。再び書を読みアポクリファが永遠にオマエを虜にする前に脱出するといい。」
リコリス「やーってやるぜ!料理書があるって聞いちゃ進むしかないぜ!そのためにソルスセイムまで来たんだ!」
ハルメアス・モラ(バカだ……。)
さっそく辺りを捜索しながら道を進む。
不快感いっぱいだが、なんとも奇妙な美しさを覚える世界だ。
しかし……。
リコリス「知識が貯蔵されている……って言ってもほとんどの本がボロボロじゃねぇか……。」
でも確かに、この世界を構成しているものがすべて本だとすれば、すべての知識があるんじゃないかと思わせるほどの世界だ。料理書のついでに冒険に役に立つ知識も得られるかもしれない。
・
・
・
リコリス「な、なんだありゃ……。」
視線の先にはボロをまとい、ウネウネと蠢く影。
顔らしき場所からは触手が垂れ下がり、ボロの下からはやせ細った手が4本生えている。
体には方円状の牙の生えた口らしきものがあり、足はなく触手が垂れ下がったまま浮いている。
スカイリムでは見たこともない……いや、御伽噺でも聞いたことがない気持ちの悪い姿だ。
出来れば避けたいんだけど……。
その気持ちの悪い生き物がこちらを正面に捕らえる。
リコリス「そういうわけにもいかんか。」
剣を抜き、盾を前に接近する。
目標の手に魔力が……そして放出!はっはやい!?
・
・
・
リコリス「ぎゃー。」
・
・
・
リコリス「ぐはー。」
・
・
・
リコリス「あ、あいつつえーぞ!一度にげっ……げふん!」
突如蠢く床から現れた触手によって地面に叩きつけられる。ここに来た時と同じように意識が暗転する。
・
・
・
ムンゴ「リ、リコリス! オキロ! オキロ!」
リコリス「はっ!?」ムンゴの呼び声に意識が覚醒する。
ムンゴ「オマエ ホンノナカ キエタ! シバラクシテ マタ デテキタ!」
リコリス「な、なんだったんだ今の……。」
目の前には先ほどの黒い本。
ムンゴ「ヤパリ キケン ソノホン オイテイコウ」
自分も同意見だ。よくわからないが、あんな世界普通じゃない。
でも……。
リコリス「持って行こう。ただ持っている分には問題はなさそうだ。」
そう自分は冒険者だ、危険を前に目的を忘れることはない。あのなんとかモラっていうやつが言う通りなら、あそこには見たこともない調理書もあるはずだ。
ムンゴ「ワカッタ キヲツケロ ココ デヨウ」
・
・
・
外へと続く扉を開ける。
室内よりも冷たい風が一気に入り込んでくる。すっかり外は暗く、灰の混じった雪が降っていた。
ムンゴ「ココ レイヴンロック ソバ オレ ワカル」
ムンゴの先導でやっとレイヴンロックへと戻る。
~レイヴンロック~
リコリス「つ、つかれた……。ドラウグル退治に変な仮面のお化け、しかもあんな触手世界まで……。」
レッチングネッチのドアをくぐり、今日は休むことにする。
グラディアンの遺品の報告は明日だ。
なんだかんだでダンマー料理を一切食べてない……とはいえ今日はもう疲れたから休みたい。
明日こそは……と心に決め、ゲルディスに挨拶を済ませてムンゴとともに部屋に戻るのでした。
~あとがき~
ちょっとアポクリファ辛すぎでした。
Requiem環境だからか、最初のシーカーのLvが60とかでとてもじゃないけど勝てないので、RP的に強化してから踏破を目指します。
リコリスもストームブリンガーの呪いで身体強化されているとはいえ、相手はデイドラ、しかも自分の領域内ってことで手も足も出なかったのです。(メタ的に言えばファルスカール編をクリアした時点で新しいセーブデータでやりなおしたので、Lvが低いのです。現在Lv6)
今後、アポクリファ攻略のため……なんとか装備を整えます。
ちなみにムンゴは鎧を脱がずに同じ部屋で寝てます。
~ブラッドスカル遺跡~
リコリス「もう大丈夫だ、心配かけてわりぃな。」
野営した跡を片付け、その場を後にする。
遺跡を進むと、小部屋の中に宝箱や、マジックアイテムが保管されていた。
リコリス「おっ!こりゃいいや、戦利品として持って帰ろうぜ。取り分は半分なー!」
ムンゴ「ムワサスー!」
互いに思い思いに部屋を漁る。
さて、最後はこれだな……。
部屋の中央に備え付けられた台座に置かれた黒い本。
リコリス「こんな大事に置かれてるってことは、相当価値のあるもんなんじゃねぇか?」
ムンゴ「…… ナニカ イヤナ ヨカンスル。」
リコリス「マジックアイテムってやつか?持って帰らないほうがいいのかな。中身は……。」
そう言って本を手に取り、中身を確かめる。
リコリス「何々……。リーズル・グレイハート著……か。」
そして文面に目を通した瞬間事は起こった。
リコリス「な、なななななななんだこれ!」
本の文字は浮かび上がり、中空に現れたかと思うと、こちらに飛び出してくる。
文字は首筋、胴体……と体に巻きついて来る。文字は不思議と冷たく不快な感覚を覚える。
リコリス「わ、ワナかあああああああ!!」
体中に巻き付いた文字は実体を得て、ヌメヌメとした触手となる。
リコリス「あっちょ、だめっ!入ってくるなっ!」そのヌルヌルとした不快感に嫌悪を覚える。
そして触手の強い力によって引っ張られ……意識は暗転した。
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リコリス「いてて……。何だったんだ、鎧の隙間から入り込んだ触手のせいできもちわりぃ……。」
頭を振って意識をはっきりさせる。
そしてふと……辺りを見渡す。
リコリス「な、なんじゃこりゃあああああああああああ」
辺りの様子は先ほどの遺跡とは一転。
オーロラに彩られ、蠢くように様相を変える緑色の空。
ドロドロとした黒い水が地平線のどこまでも続く海。
その海からは先ほど本から出てきたような触手が大小いたるところから伸びて蠢いている。
床はしっかりしているものの、幾枚もの本のページがばらまかれ、風になびいている。
先に見える建造物や、近くの柱。それらは全て積み上げられそしてねじくれた本で出来上がっている。
どこからどう見ても異形の世界だ。
リコリス「な、なんだここ……!?死後の世界かこりゃ……。」
自分の体を省みて、異常がないか確認する。怪我もおかしいところも何もない。
呼吸も問題なさそうだ。なんとも生臭いなんとも言えない臭いが立ち込めてはいるが。
さてどうしたものか、と思案し始めると頭の中に声が響き始める。
???「また、知識を求めるものが我が領界に入って来たか。」
頭に響く、不気味で名状しがたき恐怖を覚える声。
リコリス「な、なんだこの声……頭に直接……誰だてめぇ!」
ハルメアス・モラ「私はハルメアス・モラ。運命の王子であり秘密の王である。ここはアポクリファ。すべての知識が貯蔵されている。」
ハルメアス・モラ……。ボハンとの勉強会で聞いたことがある……確か……なんだっけ……。
リコリス「で、そのハルメアス・モラ……さんが何の用だ?」
ハルメアス・モラ「……。おそらく、ここに隠された知識を解き明かす知恵を証明するだろう。歓迎しよう。」
リコリス「知識?ってことはもしかして……。」リコリスの目が光る。
リコリス「料理書もあるのか!?ダンマー料理の調理書も!?」
ハルメアス・モラ「……馬鹿か。であれば危険だ。再び書を読みアポクリファが永遠にオマエを虜にする前に脱出するといい。」
リコリス「やーってやるぜ!料理書があるって聞いちゃ進むしかないぜ!そのためにソルスセイムまで来たんだ!」
ハルメアス・モラ(バカだ……。)
さっそく辺りを捜索しながら道を進む。
不快感いっぱいだが、なんとも奇妙な美しさを覚える世界だ。
しかし……。
リコリス「知識が貯蔵されている……って言ってもほとんどの本がボロボロじゃねぇか……。」
でも確かに、この世界を構成しているものがすべて本だとすれば、すべての知識があるんじゃないかと思わせるほどの世界だ。料理書のついでに冒険に役に立つ知識も得られるかもしれない。
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リコリス「な、なんだありゃ……。」
視線の先にはボロをまとい、ウネウネと蠢く影。
顔らしき場所からは触手が垂れ下がり、ボロの下からはやせ細った手が4本生えている。
体には方円状の牙の生えた口らしきものがあり、足はなく触手が垂れ下がったまま浮いている。
スカイリムでは見たこともない……いや、御伽噺でも聞いたことがない気持ちの悪い姿だ。
出来れば避けたいんだけど……。
その気持ちの悪い生き物がこちらを正面に捕らえる。
リコリス「そういうわけにもいかんか。」
剣を抜き、盾を前に接近する。
目標の手に魔力が……そして放出!はっはやい!?
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リコリス「ぎゃー。」
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リコリス「ぐはー。」
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リコリス「あ、あいつつえーぞ!一度にげっ……げふん!」
突如蠢く床から現れた触手によって地面に叩きつけられる。ここに来た時と同じように意識が暗転する。
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ムンゴ「リ、リコリス! オキロ! オキロ!」
リコリス「はっ!?」ムンゴの呼び声に意識が覚醒する。
ムンゴ「オマエ ホンノナカ キエタ! シバラクシテ マタ デテキタ!」
リコリス「な、なんだったんだ今の……。」
目の前には先ほどの黒い本。
ムンゴ「ヤパリ キケン ソノホン オイテイコウ」
自分も同意見だ。よくわからないが、あんな世界普通じゃない。
でも……。
リコリス「持って行こう。ただ持っている分には問題はなさそうだ。」
そう自分は冒険者だ、危険を前に目的を忘れることはない。あのなんとかモラっていうやつが言う通りなら、あそこには見たこともない調理書もあるはずだ。
ムンゴ「ワカッタ キヲツケロ ココ デヨウ」
・
・
・
外へと続く扉を開ける。
室内よりも冷たい風が一気に入り込んでくる。すっかり外は暗く、灰の混じった雪が降っていた。
ムンゴ「ココ レイヴンロック ソバ オレ ワカル」
ムンゴの先導でやっとレイヴンロックへと戻る。
~レイヴンロック~
リコリス「つ、つかれた……。ドラウグル退治に変な仮面のお化け、しかもあんな触手世界まで……。」
レッチングネッチのドアをくぐり、今日は休むことにする。
グラディアンの遺品の報告は明日だ。
なんだかんだでダンマー料理を一切食べてない……とはいえ今日はもう疲れたから休みたい。
明日こそは……と心に決め、ゲルディスに挨拶を済ませてムンゴとともに部屋に戻るのでした。
~あとがき~
ちょっとアポクリファ辛すぎでした。
Requiem環境だからか、最初のシーカーのLvが60とかでとてもじゃないけど勝てないので、RP的に強化してから踏破を目指します。
リコリスもストームブリンガーの呪いで身体強化されているとはいえ、相手はデイドラ、しかも自分の領域内ってことで手も足も出なかったのです。(メタ的に言えばファルスカール編をクリアした時点で新しいセーブデータでやりなおしたので、Lvが低いのです。現在Lv6)
今後、アポクリファ攻略のため……なんとか装備を整えます。
ちなみにムンゴは鎧を脱がずに同じ部屋で寝てます。
- [ edit ]
- RP日記
- / trackback:0
- / comment:2
- [ 編集 ]
- 2014/09/15(月) 22:47:22 |
- URL |
- 中の人
リコリスちゃん恐るべし・・・やっぱりボハンがいないと・・
そいや・・女侍は??
Requiemってのもちょっと面白そうですね。戦闘がマンネリ化してきてたので、次回はRequiem環境でプレイしてみようかな^^いつになるかわかりませんが・・・
Re: タイトルなし
- [ 編集 ]
- 2014/09/16(火) 04:16:17 |
- URL |
- Lycoris
いつもありがとうございます!
ふふふ、実は料理書を探しに行くと決めてソルスセイムへ向かった時点でこの展開は考えておりましたw
想定以上に敵が強くて叩き返されるとは思いませんでしたがw
女侍さんは現在構想中(ネタが決まってない)ってやつで……wソルスセイム編の合間にちょこちょこいじれたらいいですねぇw
Requiem楽しいですよ!普通にプレイすると最初山賊二人にすら負けますw
今まで楽勝と思ってた雑魚が序盤の強敵になるので冒険者として成長を感じられますし、
だからこそハイコストのチートMODとか使ってみようかなという気にもなりますw
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