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リコリスの旅43話【第二章】災いの足音
43話です。
Falskaarでも大好きなクエストに入ります。
~ボルヴァルド近郊~
水浴びを済ませ少しすっきりした足はグングン速度を上げて目的地のボルヴァルドへ進む。
道を進むと丘というよりも崖、天然の要塞の上に城壁が見える。
ここがボルヴァルドなのだろう。
城門へと続く坂道を駆ける。
まだイングヴァールの軍は来てはいないようだ。
しばらく坂道を登ると、城門が見えてくる。
???「止まれ!ここは閉鎖されている!」
城門の横で警戒していた男がこちらを制止する。
「こちらはアンバークリークの町から来た。アグナー首長の言伝だ、ボルヴァルドの首長に会いたい。」
ゴラン「ふむ、私はゴランだ。わかった、ヴァルフレッド首長に案内しよう。ついてきなさい。」
あっさりと認めて入ることを許可してくれた。
ゴラン「あんたが噂の『旅人』か会えて光栄だ。港のヘンリクから話は聞いている。」
なるほど、噂が届いていたからか、都合がいい。
ギギギギギギギ
ゆっくりと鈍い音と共に城門が開く。
城壁に守られた物々しさとは裏腹に中は随分と穏やかな雰囲気だ。
いたるところにいる衛兵は山賊の襲撃に警戒して緊張感はあるが、街の人はそれに信頼を置いているようだ。
兵士の訓練の声も聞こえ、意識の高さも伺える。
ゴラン「旅人よ、こっちだ。」
先を行くゴランがこちらに声をかける。慌ててついていく。
「衛兵と兵士がよく見えるな。」
ゴラン「近頃の山賊騒ぎのせいだ。港での一件はこちらが対応すべきだったのにそちらに任せて済まなかった。」
大通りを抜けていくと少し高い位置に大きな屋敷が見えた。
ゴラン「あれがヴァルフレッド首長の屋敷だ。失礼のないようにな。」
扉を開け中に入る。
ヴァルフレッド「お客人か、中に入って奥まで来てくれ。」
奥から声がかかる。穏やかな声。
ヴァルフレッド「夕食を作っていたところなんだ、君も食べて行くかい?」
シチューのいい香りが鼻をくすぐる。お腹がなりそうだが今は本題が大事だ。
「あーいや、そりゃ嬉しいがアグナーから連絡だ。」
ヴァルフレッド「なんとなく察しがつくが話を聞こう。」
急に疲れたような顔色になる。最近の山賊の活性化で察しもつくし疲れもあるのだろう。
「イングヴァールが軍をあげて何かを探している。ここにも魔の手が迫っていると思う。」
少し間をあけてヴァルフレッドは溜息をつき、シチューを混ぜる手を止める。
ヴァルフレッド「私もそれは感じていたよ。忌々しい山賊がそこかしこで我が民を殺している。そのためにこの街を封印した。イングヴァールのせいだ。」
穏やかな声ではあるが民を想いその言葉の奥底に燃え上がるような怒りが見て取れる。
ヴァルフレッド「ウンヴァルドルの連中がまた何かを起こそうとしているのだろう。奴らがここを放っておくだろうか?君はあいつが何かを探していると言ったか、それが何かわかっていることはあるか?」
頭を振って答える。
「いや、でもあいつはバイルン修道院で強硬手段で捜索し、そのあとアンバークリークへ来た。」
ヴァルフレッド「ふむ・・・・・・。」
深く思案するヴァルフレッド。その様子に声をかけれずにいると、先にヴァルフレッドが口を開いた。
ヴァルフレッド「今回の意味するところは好ましくないことは確かだ。多分彼がどうなったのか、私には分かる。けれど結論を急ぐ事はしない。今回は特にね。」
ひとまずもう少し警戒を強くしよう、とヴァルフレッドの言葉が終わるか終わらないかくらいにドアが強く開かれる音がする。
慌てて入ってきたのは先ほどのゴランだった。
ゴラン「ヴァルフレッド首長!街が包囲されています!山賊が、山賊どもが門を突破しました!」
・・・・・・それは災厄の始まりの音だった。
~あとがき~
いつもに比べて短めにしてみました。
読みやすさはどうでしょう?このくらいならあまり記事を書くのも時間はかかりませんね。
ヴァルフレッド首長の性格というか口調は結構改変しています。
雰囲気が穏やかな印象を受けたのでゴランと共に知的な感じで記事にしています。
Falskaarでも大好きなクエストに入ります。
~ボルヴァルド近郊~
水浴びを済ませ少しすっきりした足はグングン速度を上げて目的地のボルヴァルドへ進む。
道を進むと丘というよりも崖、天然の要塞の上に城壁が見える。
ここがボルヴァルドなのだろう。
城門へと続く坂道を駆ける。
まだイングヴァールの軍は来てはいないようだ。
しばらく坂道を登ると、城門が見えてくる。
???「止まれ!ここは閉鎖されている!」
城門の横で警戒していた男がこちらを制止する。
「こちらはアンバークリークの町から来た。アグナー首長の言伝だ、ボルヴァルドの首長に会いたい。」
ゴラン「ふむ、私はゴランだ。わかった、ヴァルフレッド首長に案内しよう。ついてきなさい。」
あっさりと認めて入ることを許可してくれた。
ゴラン「あんたが噂の『旅人』か会えて光栄だ。港のヘンリクから話は聞いている。」
なるほど、噂が届いていたからか、都合がいい。
ギギギギギギギ
ゆっくりと鈍い音と共に城門が開く。
城壁に守られた物々しさとは裏腹に中は随分と穏やかな雰囲気だ。
いたるところにいる衛兵は山賊の襲撃に警戒して緊張感はあるが、街の人はそれに信頼を置いているようだ。
兵士の訓練の声も聞こえ、意識の高さも伺える。
ゴラン「旅人よ、こっちだ。」
先を行くゴランがこちらに声をかける。慌ててついていく。
「衛兵と兵士がよく見えるな。」
ゴラン「近頃の山賊騒ぎのせいだ。港での一件はこちらが対応すべきだったのにそちらに任せて済まなかった。」
大通りを抜けていくと少し高い位置に大きな屋敷が見えた。
ゴラン「あれがヴァルフレッド首長の屋敷だ。失礼のないようにな。」
扉を開け中に入る。
ヴァルフレッド「お客人か、中に入って奥まで来てくれ。」
奥から声がかかる。穏やかな声。
ヴァルフレッド「夕食を作っていたところなんだ、君も食べて行くかい?」
シチューのいい香りが鼻をくすぐる。お腹がなりそうだが今は本題が大事だ。
「あーいや、そりゃ嬉しいがアグナーから連絡だ。」
ヴァルフレッド「なんとなく察しがつくが話を聞こう。」
急に疲れたような顔色になる。最近の山賊の活性化で察しもつくし疲れもあるのだろう。
「イングヴァールが軍をあげて何かを探している。ここにも魔の手が迫っていると思う。」
少し間をあけてヴァルフレッドは溜息をつき、シチューを混ぜる手を止める。
ヴァルフレッド「私もそれは感じていたよ。忌々しい山賊がそこかしこで我が民を殺している。そのためにこの街を封印した。イングヴァールのせいだ。」
穏やかな声ではあるが民を想いその言葉の奥底に燃え上がるような怒りが見て取れる。
ヴァルフレッド「ウンヴァルドルの連中がまた何かを起こそうとしているのだろう。奴らがここを放っておくだろうか?君はあいつが何かを探していると言ったか、それが何かわかっていることはあるか?」
頭を振って答える。
「いや、でもあいつはバイルン修道院で強硬手段で捜索し、そのあとアンバークリークへ来た。」
ヴァルフレッド「ふむ・・・・・・。」
深く思案するヴァルフレッド。その様子に声をかけれずにいると、先にヴァルフレッドが口を開いた。
ヴァルフレッド「今回の意味するところは好ましくないことは確かだ。多分彼がどうなったのか、私には分かる。けれど結論を急ぐ事はしない。今回は特にね。」
ひとまずもう少し警戒を強くしよう、とヴァルフレッドの言葉が終わるか終わらないかくらいにドアが強く開かれる音がする。
慌てて入ってきたのは先ほどのゴランだった。
ゴラン「ヴァルフレッド首長!街が包囲されています!山賊が、山賊どもが門を突破しました!」
・・・・・・それは災厄の始まりの音だった。
~あとがき~
いつもに比べて短めにしてみました。
読みやすさはどうでしょう?このくらいならあまり記事を書くのも時間はかかりませんね。
ヴァルフレッド首長の性格というか口調は結構改変しています。
雰囲気が穏やかな印象を受けたのでゴランと共に知的な感じで記事にしています。
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