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リコリスの旅86話【第三章】 アッシュヤムと赤目
~レッチングネッチ・コーナークラブ~
リコリス「これはシチューか?」
ゲルディス「ああ、アッシュヤムとホーカーのシチューだ。どうだ?」
一口啜ってみる。
これは中に入ったゴロゴロとした芋と同じ味のホカホカのシチューだ。
ゲルディス「どうだ?美味いか?アッシュヤムはスカイリムでは取れん。まぁ同じようなものはあるだろうが、最初はこのくらいのほうが取っ付きやすいだろう。」
シチューはトロトロで、どうやら摩り下ろしたアッシュヤムをそのままベースにしているようだ。
しかもしっかりと煮込まれたホーカーの肉の脂が溶けてなんとも濃厚な味わい。
リコリス「すごいね、シチューは何度も作ったことがあるけど、このとろみは中々……。」
ゲルディス「そうだろうそうだろう、ホーカーの煮込み方にもコツがあってな……。」
上機嫌なゲルディスはそう言って1から作り方を説明してくれる。
冷めないうちにと食べながらも熱心にそのレシピを聞いてメモを取る。
・
・
・
リコリス「ゲルディスさん、サンキューな!早速一品目いただいたぜ!」
ゲルディス「おう、また冒険に出るんだったか?荷物、必要ないものは置いていっていいからな。」
リコリス「サンキュー!部屋代は置いていくから、そこからひいてってくれ。」
・
・
・
~レイヴンロックの外へ繋がる門~
リコリス「で、そのテル・ミスリンだっけか?それはどこにあるんだ?」
ムンゴ「ココカラ ヒガシ チカク イッタラ スグワカル。」
近寄っただけですぐわかる?よくわからねーけど、食料も持ったし、どうとでもなるか。
そのままレイヴンロックを出て、灰の中を進む。今日は特に降灰がひどい気がする。
ムンゴ「キヲツケロ コウイウ ハイノフルヒ アカメノバケモノ デル」
リコリス「アカメの化け物?なんだそりゃ……。」詳しく聞こうと話をつなごうとした瞬間、聞きなれた音が聞こえる。
物がぶつかり合い、怒号が響く。
戦闘だ!
剣を鞘から抜き、盾を握りなおして駆け出す。
ムンゴ「『アカメ』 ダ!」
向かう先にはレイヴンロックの衛兵が着用している黄色の鎧の男と、それと敵対する3人……。
いや、何かおかしい。その三体は遠くから見ても異形の姿をしていた。
爛々と緋く光るまぶたも無い瞳と、乾燥し、ひび割れた皮膚。
まるで灰がそのまま人の形を成したかのような異形だった。
リコリス「なんだありゃ……あれが『赤目』ってやつか!」
衛兵の鎧の男に加勢する。
敵は3体……、こちらに気がついた一体目の攻撃をシールドで防ぎ……。
リコリス「ぐあっ!?」
その重い攻撃を盾で防いだにも関わらず、剣から発した炎は盾とこちらの身を焼き焦がす。
リコリス「あの剣、エンチャントなんてついてやがるのか!」
魔法の炎は熱と痛みで体力を奪ってくるが、見た目ほどの火傷にならないのが救いか。
とはいえ、ダメージはひどい。盾で防いでも炎で体力を根こそぎ奪われる。
その時ムンゴが掴みかかる、灰の男はそれを振りほどこうとこちらから意識を外す。
今だ!その灰の男の喉もとに剣を突き刺し、首を跳ね飛ばす。
リコリス「ムンゴ、助かったぜ!」
こちらの加勢により、3体相手に防戦にまわっていた衛兵も一体目と二体目をその両手斧で吹き飛ばしていた。
リコリス「な、なんだったんだこいつら……。」
自らの身を省みて怪我がないか確認する。
なんとか自分の身の魔力が火傷に至るまでの傷にならないよう防ぎきれたようだ。
衛兵「ありがたい……生きて農場から出られる確証がなかった。部下も救えればよかったんだがな……。」
農場……?その言葉に辺りを見渡す。なるほど、朽ちた建物に荒れた畑のようなものがある。
そして辺りには倒れてピクリとも動かない衛兵の死体がいくつか。
リコリス「一体どうしたんだ?オレはスカイリムから来たリコリスってんだ。こっちは仲間のムンゴ。」
ヴェレス「私はレドランの衛兵隊長、ヴェレスだ。衛兵の中にはアッシュスポーンと呼ぶものもいる。」
ヴェレスと名乗った男は、傷の手当と確認を済ませながら説明してくれる。
ヴェレス「だが呼称は別に何でもいい。問題はレイヴン・ロックにとって脅威であり、止めなければならないということだけだ。」
リコリス「どうしてここへ?見たところただの農場みたいだけど。」
ヴェレス「奴らの出所のてがかりになりそうなものを探すつもりだった。この方角から来ていることは分かっていて、他に当てもないからな。」
詳しくアッシュスポーンについて聞いてみる。
ヴェレス「詳しい事は誰にも。迷信深い連中ははるか昔に死んだものたちが蘇った姿だというが、それはどうだかな。」
話を聞いてみると、数週間前からブルワーク……つまりレイヴンロックを攻撃しはじめたらしい。
そのたびに部下たちが返り討ちにしているが、繰り返しやってきているとのこと。
それ以外にも2回、他の場所で襲撃される事件が相次ぎ、ヴェレスは言い知れぬ不安と共に、じょじょに統制がとれるようになってきており、弱点をさぐっているように感じているらしい。
なるほど、こちらも急ぎの身ではあるが、放っておける話ではない。
リコリス「何か手伝えることはあるか?」
ヴェレス「ありがたい、人ではいくらあっても困らない。レイヴンロックを離れるわけにはいかないし、レドランの衛兵の被害も深刻だ。農場の捜索中にアッシュスポーンに不意を突かれた。何か見つからないか、探してみよう。」
さっそく辺りを捜索する。まずはまだ暖かさを残すアッシュスポーンの灰を調べる。
恐る恐る鞘で灰を突く。動き出したり危険はなさそうだ。
中を探ると……。
リコリス「すげぇ!宝石に鉱石!こんなん体に含んでやがるのか!」
灰の中には、灰で汚れているものの、鉱石や宝石がいくつか見つかった。灰と鉱石が混じった存在なのかもしれない。
そして他にも何かないかと探っていくと……、これは手紙?
リコリス「たいちょーさん、こんなの見つけたぜ。」そう言って手渡す。
その手紙を読んだヴェレスは真剣な顔で頭をひねる。
ヴェレス「奇妙だな……。読んだ限り、ファルクス・カリアス将軍の手によるものだが、そんな事はあり得ない。」
なぜ?と聞くと続けて説明してくれた。
ヴェレス「カリアス将軍は帝国のフロストモス砦駐留部隊の指揮官だったが、200年前にレッドマウンテンのせいで砦が崩れた際に命を落としている。生きているはずなどないのだ……。」
リコリス「つまり……オレは何をしたらいい?」まぁなんとなくわかるが確認する。
ヴェレス「もしカリアス将軍が生きているのだとすれば、何らかの尋常ならぬ理由があるはずだ。フロストモス砦で確かめてきてもらいたい。こちらはレイヴンロックに戻って部下達に襲撃に備えさせておく。」
なるほど、偵察任務か。慣れているとは言いがたいが、コッソリ見てくるだけなら問題ないだろう。
ヴェレス「無理はするなよ、衛兵の代わりにお前を死なせてしまっては意味が無いからな。」
おうよ!と請け負って歩を進める。
ムンゴがどうやら案内できるらしく、頼もしい限り。
頼もしい案内役の先導にしたがって道を進むリコリスでした。
ゲルディス「どうだ?美味いか?アッシュヤムはスカイリムでは取れん。まぁ同じようなものはあるだろうが、最初はこのくらいのほうが取っ付きやすいだろう。」
シチューはトロトロで、どうやら摩り下ろしたアッシュヤムをそのままベースにしているようだ。
しかもしっかりと煮込まれたホーカーの肉の脂が溶けてなんとも濃厚な味わい。
リコリス「すごいね、シチューは何度も作ったことがあるけど、このとろみは中々……。」
ゲルディス「そうだろうそうだろう、ホーカーの煮込み方にもコツがあってな……。」
上機嫌なゲルディスはそう言って1から作り方を説明してくれる。
冷めないうちにと食べながらも熱心にそのレシピを聞いてメモを取る。
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リコリス「ゲルディスさん、サンキューな!早速一品目いただいたぜ!」
ゲルディス「おう、また冒険に出るんだったか?荷物、必要ないものは置いていっていいからな。」
リコリス「サンキュー!部屋代は置いていくから、そこからひいてってくれ。」
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~レイヴンロックの外へ繋がる門~
リコリス「で、そのテル・ミスリンだっけか?それはどこにあるんだ?」
ムンゴ「ココカラ ヒガシ チカク イッタラ スグワカル。」
近寄っただけですぐわかる?よくわからねーけど、食料も持ったし、どうとでもなるか。
そのままレイヴンロックを出て、灰の中を進む。今日は特に降灰がひどい気がする。
ムンゴ「キヲツケロ コウイウ ハイノフルヒ アカメノバケモノ デル」
リコリス「アカメの化け物?なんだそりゃ……。」詳しく聞こうと話をつなごうとした瞬間、聞きなれた音が聞こえる。
物がぶつかり合い、怒号が響く。
戦闘だ!
剣を鞘から抜き、盾を握りなおして駆け出す。
ムンゴ「『アカメ』 ダ!」
向かう先にはレイヴンロックの衛兵が着用している黄色の鎧の男と、それと敵対する3人……。
いや、何かおかしい。その三体は遠くから見ても異形の姿をしていた。
爛々と緋く光るまぶたも無い瞳と、乾燥し、ひび割れた皮膚。
まるで灰がそのまま人の形を成したかのような異形だった。
リコリス「なんだありゃ……あれが『赤目』ってやつか!」
衛兵の鎧の男に加勢する。
敵は3体……、こちらに気がついた一体目の攻撃をシールドで防ぎ……。
リコリス「ぐあっ!?」
その重い攻撃を盾で防いだにも関わらず、剣から発した炎は盾とこちらの身を焼き焦がす。
リコリス「あの剣、エンチャントなんてついてやがるのか!」
魔法の炎は熱と痛みで体力を奪ってくるが、見た目ほどの火傷にならないのが救いか。
とはいえ、ダメージはひどい。盾で防いでも炎で体力を根こそぎ奪われる。
その時ムンゴが掴みかかる、灰の男はそれを振りほどこうとこちらから意識を外す。
今だ!その灰の男の喉もとに剣を突き刺し、首を跳ね飛ばす。
リコリス「ムンゴ、助かったぜ!」
こちらの加勢により、3体相手に防戦にまわっていた衛兵も一体目と二体目をその両手斧で吹き飛ばしていた。
リコリス「な、なんだったんだこいつら……。」
自らの身を省みて怪我がないか確認する。
なんとか自分の身の魔力が火傷に至るまでの傷にならないよう防ぎきれたようだ。
衛兵「ありがたい……生きて農場から出られる確証がなかった。部下も救えればよかったんだがな……。」
農場……?その言葉に辺りを見渡す。なるほど、朽ちた建物に荒れた畑のようなものがある。
そして辺りには倒れてピクリとも動かない衛兵の死体がいくつか。
リコリス「一体どうしたんだ?オレはスカイリムから来たリコリスってんだ。こっちは仲間のムンゴ。」
ヴェレス「私はレドランの衛兵隊長、ヴェレスだ。衛兵の中にはアッシュスポーンと呼ぶものもいる。」
ヴェレスと名乗った男は、傷の手当と確認を済ませながら説明してくれる。
ヴェレス「だが呼称は別に何でもいい。問題はレイヴン・ロックにとって脅威であり、止めなければならないということだけだ。」
リコリス「どうしてここへ?見たところただの農場みたいだけど。」
ヴェレス「奴らの出所のてがかりになりそうなものを探すつもりだった。この方角から来ていることは分かっていて、他に当てもないからな。」
詳しくアッシュスポーンについて聞いてみる。
ヴェレス「詳しい事は誰にも。迷信深い連中ははるか昔に死んだものたちが蘇った姿だというが、それはどうだかな。」
話を聞いてみると、数週間前からブルワーク……つまりレイヴンロックを攻撃しはじめたらしい。
そのたびに部下たちが返り討ちにしているが、繰り返しやってきているとのこと。
それ以外にも2回、他の場所で襲撃される事件が相次ぎ、ヴェレスは言い知れぬ不安と共に、じょじょに統制がとれるようになってきており、弱点をさぐっているように感じているらしい。
なるほど、こちらも急ぎの身ではあるが、放っておける話ではない。
リコリス「何か手伝えることはあるか?」
ヴェレス「ありがたい、人ではいくらあっても困らない。レイヴンロックを離れるわけにはいかないし、レドランの衛兵の被害も深刻だ。農場の捜索中にアッシュスポーンに不意を突かれた。何か見つからないか、探してみよう。」
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恐る恐る鞘で灰を突く。動き出したり危険はなさそうだ。
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そして他にも何かないかと探っていくと……、これは手紙?
リコリス「たいちょーさん、こんなの見つけたぜ。」そう言って手渡す。
その手紙を読んだヴェレスは真剣な顔で頭をひねる。
ヴェレス「奇妙だな……。読んだ限り、ファルクス・カリアス将軍の手によるものだが、そんな事はあり得ない。」
なぜ?と聞くと続けて説明してくれた。
ヴェレス「カリアス将軍は帝国のフロストモス砦駐留部隊の指揮官だったが、200年前にレッドマウンテンのせいで砦が崩れた際に命を落としている。生きているはずなどないのだ……。」
リコリス「つまり……オレは何をしたらいい?」まぁなんとなくわかるが確認する。
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