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リコリスの旅95話【第三章】 事実と結果
露骨な視線誘導SS。
※FF11ネタが含まれます。
~テルミスリン・ネロスの塔~
リコリス「本当に全部脱ぐのか……?」
ネロス「当たり前だ、全身に魔力を直接刻み込まねばならん。不要なものがあればそれだけで失敗して死ぬことになる。」
リコリス「ほ、ほんとにこれでなんとかなるんだよな!?」
ネロス「無論だ、このマスターウィザードがこの程度出来ないわけがない。」
偉そうだが自信たっぷりのようだ。少しだけ心が楽になった。
リコリス「わ、わかった……じゃあよろしくお願いします。」
おずおずと下着を脱ぐ。
ネロス「こちらも暇じゃないのだ。早くせんか。安心しろ、お前の裸なぞ興味もない。」
それはそれでむかつくな……、そう思いながらも机の上に寝そべる。
ネロス「では今からお前の体を構成する魔力そのものに術式を行い、呪印を施す。今お前の身体はストームブリンガーの魔力で満ちている。その魔力はお前の身体を癒すと共に少しづつお前の身体を蝕んでいる。」
リコリスの顔に隠し切れない恐怖がうつる。
少し前にボハンと一緒に説明を受けたのと同じだ。
アポクリファから持ち帰ったストームブリンガーに対する考察書。それにストームブリンガーの構成する魔力の質?だかなんだかが書かれていたらしい。暴れるその魔力を抑制し、中和する術式を一晩のうちにネロスは編み出してしまった。
これがマスターウィザード・ネロスの実力ということか。
ネロス「だが、今から貴様に直接付呪を施す。杖の付呪と同じ要領だが、魔力の流れをこちらで作り出す。」
つまり自分を構成する魔力の主導権をこちらに引き戻す。ということらしい。
ネロス「ちゃんと聞いているか?お前が暴れない限り成功は保障しよう。だがこれは防具刻む付呪と違って、もっと奥深く、構成するそのものに付呪を施す。その痛みはお前が体験したなかでも5本の指に入る事になるだろう。」
つばを飲み込む。想像を絶する痛みだと前もって説明は受けている。心の準備をすませここに来たが、やっぱり怖い。
リコリス「でも、このまま何もしなければストームブリンガーに食い尽くされるんだろう?だったら……お願いする。」
その返答に返事を返すことなくネロスは机に近づき、術式を開始する。
裸で寒さすら感じていた肌に、ネロスが手をかざしたあたりからじんわりと暖かさを感じる。
生身の人体に付呪を施すなんて荒事は信じられない苦痛を与える。
身体を構成する魔力にそのまま痛みが感じるからだ。
寸前に噛まされた猿轡に歯が食い込む。
ネロス「いくぞ。」
暖かい程度だった熱はその言葉と同時に想像を絶する激痛へと変わり背中から全身に広がっていく。
リコリス「がっ!?……ひいっ―――。」
悲鳴すらその痛みに凍えて消えてしまうかのような激痛に声も出ない。
――術式が終わる1時間の間、リコリスはその激痛に意識を失ってはその激痛で覚醒する……その繰り返しだった。
術式が終わってから意識を失ったリコリスの噛んでいた猿轡は完全に噛み砕かれていた。
・
・
・
ぼんやりと声が聞こえる。
落ち着く声、安心する声だ。聞き覚えがある。
ボハン「……それはどういうことだ?」
そうだ……ボハンの声。
ストームブリンガーによって強化されているこの耳は普通では聞き取れないような距離のその声を拾った。
すぐにでも飛び出していきたいけど、体が動かない……。
意識がなくなる前の激痛が嘘のようだが、その全身は言うことを聞かず、耳だけが意識をもっているかのようだ。
ネロス「――できるかぎりはやった。だが出来る事は多くはない。」
ボハン「まだ終わってないのか……?これでなんとかなるんじゃなかったのか?」
ネロス「静かにしろ、ストームブリンガーの魔力が身体に深く根を張っている。あいつの身体はすでに……。」
ボハン「なんとかならないのか?」その声には抑えきれない怒気が混じっている。その怒りは何者にも向けられず自分自身に対してか。
ネロス「現状はない。私の付呪で呪いの進行は抑えられてはいるが、どうやら根本が違うようだ。」
ボハン「根本?」
ネロス「我々ならば今回の付呪で9割問題ないはずだった。少なくともその力を使わなければしばらくはな。」
ボハン「だったら何故?」
ネロス「詳しくは現状わからぬ。だが、あのものは我々と大きく違う。我々ヒトでも、不死のデイドラの魔力でもない。その魔力が付呪の完成を不完全なものにしている。」
ボハン「……この本をアポクリファで見つけた。」
アポクリファで見つけた不可解な日記。ネロスは本を開き目を通す。
リコリスが眠ったあと読んでみたものだ。不可解な記述が多い。だが――。
ネロス「この記述にある燃える門……おそらくメエルーンズ・デイゴンのオブリビオンの門だろう。そこを通ってきたにしてはその前の場所があのデッドランドとは思えないが。」
ボハン「じゃああいつは……。」
ネロス「いや、デイドラの類ではないのは確かだ。そもそも定命の存在『だった』」
ボハン「『だった』……とは?」
少しだけ言いよどんでからネロスは言葉を続ける。
ネロス「……ストームブリンガーは呪いだ。ストームブリンガーの果てのない欲望を満たすため、その身がちぎれ、骨が砕かれ、血が全て噴出すまで戦い続けるための。」
そっと部屋の隅、遠くで寝かされているリコリスのほうを見やる。
ネロス「いまやあのものの身体はストームブリンガーと一体だ。黒の剣は死ぬまで戦い続けることを望む。」
ボハン「……端的に言え、こちらも気が短い。」
ネロス「ふん、つまり今のあのものは老いて死ぬことすらない。死すら食い物にする黒の剣は死も楽しみの一つだが、それは戦いに置いての壮絶な死のみ。ある程度の傷もその魔力で癒し、癒しきれぬほど戦った後死ぬことになるだろう。」
膝から崩れそうになる。あんな小さな身体にそんな酷な呪いが。はじめて運命を定める女神に呪いの言葉を吐きたくなる。
ネロス「お前があのもののそばにいるというのなら、貴様もその呪いに巻き込まれぬよう注意することだな。……あのものは―――」
リコリス(そうか……オレって……。)
まどろむ意識の中でも端での自分の話は聞こえていた。
ネロスの最後の言葉が何度も何度も心の中で繰り返される。
ネロス「……あのものはもはやストームブリンガーそのものだ。」
意識が真っ暗に沈む前にボハンが壁を殴る音が聞こえた。
ボハンの見つけた日記。
※抜粋済み
~あとがき~
妄想回でした。
かねてからリコリスの種族はエルヴァーンだといってきましたが、なぜスカイリムにいるのかということを補完する意味合いのエピソードとなります。
日記書くのと本にするのがめんどくさくてえらく更新があいてしまいましたが、いざやりはじめてみると日記の大部分はリコリスの旅0話と称して非公開で書いてたので、それを日記風にするだけでした。
この見つかった日記は帰ったあかつきには家MODのほうに追加してRPに付随させようと思います。
リコリスが写っている最後のSSはちゃんとパンツはいてるので安心してください。
※FF11ネタが含まれます。
~テルミスリン・ネロスの塔~
リコリス「本当に全部脱ぐのか……?」
ネロス「当たり前だ、全身に魔力を直接刻み込まねばならん。不要なものがあればそれだけで失敗して死ぬことになる。」
リコリス「ほ、ほんとにこれでなんとかなるんだよな!?」
ネロス「無論だ、このマスターウィザードがこの程度出来ないわけがない。」
偉そうだが自信たっぷりのようだ。少しだけ心が楽になった。
リコリス「わ、わかった……じゃあよろしくお願いします。」
おずおずと下着を脱ぐ。
ネロス「こちらも暇じゃないのだ。早くせんか。安心しろ、お前の裸なぞ興味もない。」
それはそれでむかつくな……、そう思いながらも机の上に寝そべる。
ネロス「では今からお前の体を構成する魔力そのものに術式を行い、呪印を施す。今お前の身体はストームブリンガーの魔力で満ちている。その魔力はお前の身体を癒すと共に少しづつお前の身体を蝕んでいる。」
リコリスの顔に隠し切れない恐怖がうつる。
少し前にボハンと一緒に説明を受けたのと同じだ。
アポクリファから持ち帰ったストームブリンガーに対する考察書。それにストームブリンガーの構成する魔力の質?だかなんだかが書かれていたらしい。暴れるその魔力を抑制し、中和する術式を一晩のうちにネロスは編み出してしまった。
これがマスターウィザード・ネロスの実力ということか。
ネロス「だが、今から貴様に直接付呪を施す。杖の付呪と同じ要領だが、魔力の流れをこちらで作り出す。」
つまり自分を構成する魔力の主導権をこちらに引き戻す。ということらしい。
ネロス「ちゃんと聞いているか?お前が暴れない限り成功は保障しよう。だがこれは防具刻む付呪と違って、もっと奥深く、構成するそのものに付呪を施す。その痛みはお前が体験したなかでも5本の指に入る事になるだろう。」
つばを飲み込む。想像を絶する痛みだと前もって説明は受けている。心の準備をすませここに来たが、やっぱり怖い。
リコリス「でも、このまま何もしなければストームブリンガーに食い尽くされるんだろう?だったら……お願いする。」
その返答に返事を返すことなくネロスは机に近づき、術式を開始する。
裸で寒さすら感じていた肌に、ネロスが手をかざしたあたりからじんわりと暖かさを感じる。
生身の人体に付呪を施すなんて荒事は信じられない苦痛を与える。
身体を構成する魔力にそのまま痛みが感じるからだ。
寸前に噛まされた猿轡に歯が食い込む。
ネロス「いくぞ。」
暖かい程度だった熱はその言葉と同時に想像を絶する激痛へと変わり背中から全身に広がっていく。
リコリス「がっ!?……ひいっ―――。」
悲鳴すらその痛みに凍えて消えてしまうかのような激痛に声も出ない。
――術式が終わる1時間の間、リコリスはその激痛に意識を失ってはその激痛で覚醒する……その繰り返しだった。
術式が終わってから意識を失ったリコリスの噛んでいた猿轡は完全に噛み砕かれていた。
・
・
・
ぼんやりと声が聞こえる。
落ち着く声、安心する声だ。聞き覚えがある。
ボハン「……それはどういうことだ?」
そうだ……ボハンの声。
ストームブリンガーによって強化されているこの耳は普通では聞き取れないような距離のその声を拾った。
すぐにでも飛び出していきたいけど、体が動かない……。
意識がなくなる前の激痛が嘘のようだが、その全身は言うことを聞かず、耳だけが意識をもっているかのようだ。
ネロス「――できるかぎりはやった。だが出来る事は多くはない。」
ボハン「まだ終わってないのか……?これでなんとかなるんじゃなかったのか?」
ネロス「静かにしろ、ストームブリンガーの魔力が身体に深く根を張っている。あいつの身体はすでに……。」
ボハン「なんとかならないのか?」その声には抑えきれない怒気が混じっている。その怒りは何者にも向けられず自分自身に対してか。
ネロス「現状はない。私の付呪で呪いの進行は抑えられてはいるが、どうやら根本が違うようだ。」
ボハン「根本?」
ネロス「我々ならば今回の付呪で9割問題ないはずだった。少なくともその力を使わなければしばらくはな。」
ボハン「だったら何故?」
ネロス「詳しくは現状わからぬ。だが、あのものは我々と大きく違う。我々ヒトでも、不死のデイドラの魔力でもない。その魔力が付呪の完成を不完全なものにしている。」
ボハン「……この本をアポクリファで見つけた。」
アポクリファで見つけた不可解な日記。ネロスは本を開き目を通す。
リコリスが眠ったあと読んでみたものだ。不可解な記述が多い。だが――。
ネロス「この記述にある燃える門……おそらくメエルーンズ・デイゴンのオブリビオンの門だろう。そこを通ってきたにしてはその前の場所があのデッドランドとは思えないが。」
ボハン「じゃああいつは……。」
ネロス「いや、デイドラの類ではないのは確かだ。そもそも定命の存在『だった』」
ボハン「『だった』……とは?」
少しだけ言いよどんでからネロスは言葉を続ける。
ネロス「……ストームブリンガーは呪いだ。ストームブリンガーの果てのない欲望を満たすため、その身がちぎれ、骨が砕かれ、血が全て噴出すまで戦い続けるための。」
そっと部屋の隅、遠くで寝かされているリコリスのほうを見やる。
ネロス「いまやあのものの身体はストームブリンガーと一体だ。黒の剣は死ぬまで戦い続けることを望む。」
ボハン「……端的に言え、こちらも気が短い。」
ネロス「ふん、つまり今のあのものは老いて死ぬことすらない。死すら食い物にする黒の剣は死も楽しみの一つだが、それは戦いに置いての壮絶な死のみ。ある程度の傷もその魔力で癒し、癒しきれぬほど戦った後死ぬことになるだろう。」
膝から崩れそうになる。あんな小さな身体にそんな酷な呪いが。はじめて運命を定める女神に呪いの言葉を吐きたくなる。
ネロス「お前があのもののそばにいるというのなら、貴様もその呪いに巻き込まれぬよう注意することだな。……あのものは―――」
リコリス(そうか……オレって……。)
まどろむ意識の中でも端での自分の話は聞こえていた。
ネロスの最後の言葉が何度も何度も心の中で繰り返される。
ネロス「……あのものはもはやストームブリンガーそのものだ。」
意識が真っ暗に沈む前にボハンが壁を殴る音が聞こえた。
ボハンの見つけた日記。
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日記書くのと本にするのがめんどくさくてえらく更新があいてしまいましたが、いざやりはじめてみると日記の大部分はリコリスの旅0話と称して非公開で書いてたので、それを日記風にするだけでした。
この見つかった日記は帰ったあかつきには家MODのほうに追加してRPに付随させようと思います。
リコリスが写っている最後のSSはちゃんとパンツはいてるので安心してください。
- [ edit ]
- RP日記
- / trackback:0
- / comment:2
- [ 編集 ]
- 2014/11/26(水) 21:33:53 |
- URL |
- 中の人
>リコリスが写っている最後のSSはちゃんとパンツはいてるので安心してください。
コントラストを上げて確認をした馬鹿がここにいまーす\(^o^)/
今回もえっちなポーズが多くて( ・∀・)イイ!!ですね
Re: タイトルなし
- [ 編集 ]
- 2014/11/28(金) 00:42:23 |
- URL |
- Lycoris
コメントいつもありがとうございます!
今回ヴァナディールの歴史年表を眺めながら日記を書きましたが、私も天晶暦という単語だけで涙腺が緩むようになってしまいましたw 本当に懐かしい……。今はLvあげやすくなってはいますが、それと同時にキャップが99になったので大変ですねw
私も実は最初撮った後、「あれ!?もしかして履き忘れた!?」と不安になったのは内緒です(*'-')
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