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リコリスの旅97話【第三章】 二人の夜
~次の日・決戦前夜~
リコリス「とうとう明日か……。」
ボハン「……体の調子はどうだ?」
リコリスはその場でぴょんぴょんと飛び跳ね、体の調子を確かめる。
リコリス「おう!昨日ぐっすり寝たおかげですっかりよくなったぜ!」
リコリス「とうとう明日か……。」
ボハン「……体の調子はどうだ?」
リコリスはその場でぴょんぴょんと飛び跳ね、体の調子を確かめる。
リコリス「おう!昨日ぐっすり寝たおかげですっかりよくなったぜ!」
ボハン(あれほど体の奥底に残ったダメージが一晩で?もしかしてストームブリンガーは……。)
そんな思いを振り払い、今日は戦いの用意を整える。
激しい戦いになる。武器防具の点検は入念に行う必要がある。
だが昨晩のストームブリンガーの言葉がボハンの胸に突き刺さる。
ボハン(リコリスが戦えば戦うほどストームブリンガーの力が……。)
戦うなと言いたい。無理やりにでも戦場に出さないように閉じ込めるか?
無理だ――リコリスを閉じ込めておける部屋があるだろうか。
リコリス「……だ、大丈夫だって。だからさ……そんな顔しないでくれよ……。」
いつの間にかに寄ってきていたリコリスが上目遣いでこちらを伺っている。
俺にこの娘を守ることはできるだろうか?
・
・
・
~その日の夜~
食事を済ませ、部屋に戻ると先に戻っているはずのリコリスがいない。
昨日の晩の事を思い出し、また胸が熱くなる。
ドアを乱暴に開け、リコリスの姿を探す。
昨日と同じ場所同じようにその影はいた。ストームブリンガーと話した同じ空の下。
ボハン「……リコか?」
その影は昨日と同じように振り向く。両の目は……赤と青の消して交わらぬオッドアイ。
リコリス「へへへ、ちょっと夜風に当たりたくて。心配かけちまったかな?」
ボハン「……いや、俺も隣いいか?」
いつものように子供のような無邪気な笑顔でうなずくリコリス。
リコリス「綺麗な星空だなぁ。」
どきっとした。昨日とまるで同じような話。同じ声同じ顔。
まさか気づいている?そう勘繰る。
ボハン「あ、ああそうだな。灰が降らない夜は珍しいな。」
リコリス「だよなぁ、オレはじめてみたぜ。ソルスセイムでこんな澄んだ空。」
その言葉に少し安心する。これ以上この娘に心労を与えたくない。
こちらの顔色を伺ったのかリコリスが笑顔になる。
リコリス「なんだーボハン珍しいじゃーん!明日の戦いびびってるのか?大丈夫きっとなんとかなるよ。」
笑顔で自信げにこちらの手を握ってくる。だがボハンは見逃さなかった一瞬だけ不安そうな顔をしたことを。
ボハン「馬鹿もん、からかうんじゃない。お前は……大丈夫か?」
リコリス「ん、全然大丈夫。付呪のおかげかわからないけど、逆にすごく調子がいいんだ。体がまるで自分の体じゃない……みたい。」
思わず口から出た最後の言葉に少し口ごもり、そこに恐怖が見え隠れしていた。
私がリコリスでリコリスが私になる――昨日のストームブリンガーの言葉が思い出される
ボハン「……明日は無理しなくていいんだぞ。」
リコリス「……知ってんだ。オレ結構やばいんだろ?」
その思わぬ言葉に心臓に氷の刃が突立てられたような冷たさを感じる。
ボハン「何のことだ。」内心を隠し、言葉を返す。
リコリス「隠さなくてもいーって。まー自分の体のことはそれなりにわかるようになってきたしなー。」
ボハン「……わかるならば明日は出るな。先にスカイリムへ帰れ。」
困ったような顔で頭を掻くリコリス。
少し離れたところに腰掛け、星空を見上げる。
リコリス「そういうわけにもいかないさ。オレの力を必要としてくれてるんだ……。」
そう言って笑うリコリス。その肩は少しだけ震えているように見えた。
自分もその隣に座る。
ボハン「俺はお前が―――だ。滅んで欲しくない。」
今度はためらわない。その震える肩を抱く。
リコリス「へへ……。嬉しいな……。」
照れくさそうな顔でこちらを覗き込みはにかむ。
空はスカイリムと同じ星が瞬いていた。
・
・
・
そして戦いの日がやってきた。
~あとがき~
いちゃいちゃ回でした。
恥ずかしくて悶え始めてきたらFallout3で荒廃した世界を探検して精神を保つというプレイをしていました。
もうソルスセイム編も大詰め。もう少しお付き合いください。
そんな思いを振り払い、今日は戦いの用意を整える。
激しい戦いになる。武器防具の点検は入念に行う必要がある。
だが昨晩のストームブリンガーの言葉がボハンの胸に突き刺さる。
ボハン(リコリスが戦えば戦うほどストームブリンガーの力が……。)
戦うなと言いたい。無理やりにでも戦場に出さないように閉じ込めるか?
無理だ――リコリスを閉じ込めておける部屋があるだろうか。
リコリス「……だ、大丈夫だって。だからさ……そんな顔しないでくれよ……。」
いつの間にかに寄ってきていたリコリスが上目遣いでこちらを伺っている。
俺にこの娘を守ることはできるだろうか?
・
・
・
~その日の夜~
食事を済ませ、部屋に戻ると先に戻っているはずのリコリスがいない。
昨日の晩の事を思い出し、また胸が熱くなる。
ドアを乱暴に開け、リコリスの姿を探す。
昨日と同じ場所同じようにその影はいた。ストームブリンガーと話した同じ空の下。
ボハン「……リコか?」
その影は昨日と同じように振り向く。両の目は……赤と青の消して交わらぬオッドアイ。
リコリス「へへへ、ちょっと夜風に当たりたくて。心配かけちまったかな?」
ボハン「……いや、俺も隣いいか?」
いつものように子供のような無邪気な笑顔でうなずくリコリス。
リコリス「綺麗な星空だなぁ。」
どきっとした。昨日とまるで同じような話。同じ声同じ顔。
まさか気づいている?そう勘繰る。
ボハン「あ、ああそうだな。灰が降らない夜は珍しいな。」
リコリス「だよなぁ、オレはじめてみたぜ。ソルスセイムでこんな澄んだ空。」
その言葉に少し安心する。これ以上この娘に心労を与えたくない。
こちらの顔色を伺ったのかリコリスが笑顔になる。
リコリス「なんだーボハン珍しいじゃーん!明日の戦いびびってるのか?大丈夫きっとなんとかなるよ。」
笑顔で自信げにこちらの手を握ってくる。だがボハンは見逃さなかった一瞬だけ不安そうな顔をしたことを。
ボハン「馬鹿もん、からかうんじゃない。お前は……大丈夫か?」
リコリス「ん、全然大丈夫。付呪のおかげかわからないけど、逆にすごく調子がいいんだ。体がまるで自分の体じゃない……みたい。」
思わず口から出た最後の言葉に少し口ごもり、そこに恐怖が見え隠れしていた。
私がリコリスでリコリスが私になる――昨日のストームブリンガーの言葉が思い出される
ボハン「……明日は無理しなくていいんだぞ。」
リコリス「……知ってんだ。オレ結構やばいんだろ?」
その思わぬ言葉に心臓に氷の刃が突立てられたような冷たさを感じる。
ボハン「何のことだ。」内心を隠し、言葉を返す。
リコリス「隠さなくてもいーって。まー自分の体のことはそれなりにわかるようになってきたしなー。」
ボハン「……わかるならば明日は出るな。先にスカイリムへ帰れ。」
困ったような顔で頭を掻くリコリス。
少し離れたところに腰掛け、星空を見上げる。
リコリス「そういうわけにもいかないさ。オレの力を必要としてくれてるんだ……。」
そう言って笑うリコリス。その肩は少しだけ震えているように見えた。
自分もその隣に座る。
ボハン「俺はお前が―――だ。滅んで欲しくない。」
今度はためらわない。その震える肩を抱く。
リコリス「へへ……。嬉しいな……。」
照れくさそうな顔でこちらを覗き込みはにかむ。
空はスカイリムと同じ星が瞬いていた。
・
・
・
そして戦いの日がやってきた。
~あとがき~
いちゃいちゃ回でした。
恥ずかしくて悶え始めてきたらFallout3で荒廃した世界を探検して精神を保つというプレイをしていました。
もうソルスセイム編も大詰め。もう少しお付き合いください。
- [ edit ]
- RP日記
- / trackback:0
- / comment:2
Re: タイトルなし
- [ 編集 ]
- 2014/12/14(日) 19:02:06 |
- URL |
- Lycoris
コメントありがとうございます!
のんびり更新になってますがお付き合いください(*'-')
ボハンとリコリスの戦いと私生活の関係はそんな感じですね。
猪突猛進に突っ込むリコリスと堅実なボハン……。
リコリスの打撃力とボハンのフォローがーみたいなPT戦が好きだったりしますw
そして常に互いを気にかけてるみたいな関係がうまく表現できてたら嬉しいです。
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