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リコリスの旅46話【第二章】 反攻作戦
ボルヴァルド戦も終わり、イングヴァールの目的が発覚しました。
それを防ぐためにこちらも動き始める46話です。
~アンバーホールド・アンバーミードの宿~
意識が戻る。
体中が痛いが、どうやらベッドに寝かされているようだ。
「いてて……ここはアンバーホールドの宿か……。」
自分の身体を省みる。
傷はストームブリンガーを手にしてから傷ついたことはないが、さすがに無理がたたったようで体中が痛い。
というか……。
「な、なんで裸……!?」
慌ててあたりを見渡す。
人影はなく見られてはいない。
ベッドの横に置いてあった鎧を痛む身体に無理やり着ける。
部屋を出るとこちらに視線が向く気配がする。
ロイズ「リコリスちゃん!眼が覚めたようですね。」
クーロン「怪我はなさそうだな、食いもんは用意してあるぜ。」
なんだかとても懐かしい気がする。
「あ、ああ、大丈夫だ。体中が痛ぇが問題ねぇぜ。」
深く考え込むロイズ。
ロイズ「その剣の文献は読んでいます。その剣が魂を吸えばその力はリコリスちゃんに流れ、リコリスちゃん自身の活力になるはずなのですが……。」
地下墓地での顛末を話す。
それを聞いたロイズさんの仮説はこうだ。
ストームブリンガーとの一つの契約を越えてしまったオレは魂を半ば乗っ取られたらしい。
本来ならそのままストームブリンガーの意思のまま殺戮衝動に囚われていたはずだが、
そこからなんとか自分の意思を取り戻したことで、ストームブリンガーとオレ自身の魂がせめぎ合っている状態のようだ。
「でも、その前から体の調子悪かったぜ?」
ロイズ「おそらく、少しづつストームブリンガーとの同一化が始まっていたのかもしれません。このまま使えば完全に乗っ取られるかも……。ストームブリンガーにこれ以上身を委ねてはいけません。」
言われて見れば……、何度もそんなことを夢の中のあいつは言ってた気がする。
『お前の魂はどんどん私と同一化している。』
まさかここでそんな厄介ごとを抱え込むとは……。
「わかった、気をつけるぜ。でも、今はオレも戦わねぇと……。」
ロイズ「そういえば、リコリスちゃんが起きたら報告して欲しいと首長が話していましたよ。」
「ん、わかった。報告行ってくる。」
思わず体がぐらりと揺れる。クーロンが受け止めてる。
クーロン「おいおい、大丈夫か?俺達が代わりに行ってやろうか?」
「いや、大丈夫。すまねぇ。」
体中が軋むが押して歩く。
・
・
・
・
~アグナーの屋敷~
「アグナー、待たせちまった。わりぃ。」
地図に視線を落としていたアグナーはこちらに気がつき声をかける。
アグナー「おお、友よ。身体は大丈夫か?」
それに対して軽く頷き本題に入る。
「イングヴァールの軍がボルヴァルドを攻撃して破壊した。」
アグナー「なんだって?くそったれ!襲撃の前にヴァルフレッドとは話せたか?」
冷静で落ち着いたアグナーにしては珍しく怒りを見せる。
「イングヴァールは『神々の心臓』とかいうのを手に入れようとしていると言ってたぜ。」
驚愕の面持ちのアグナー。
アグナー「ヤツは……ヤツは心臓を見つけた、という事か?我々が何百年も探しても見つからなかったというのに……。」
「その『神々の心臓』ってのはなんなんだ?」
質問に対しアグナーはぽつぽつと話してくれた。
アグナー「ずっと昔、我々の祖先がこの土地に来た時、我々のその民は死に瀕していた。この島全体は固く凍えるほどの寒さだったのだ。今はオラヴァの旅として知られている。」
「でも今のファルスカールはスカイリムに比べて暖かいぜ?」
それに対してアグナーは頷く。
アグナー「うむ、その時オラヴァはショールの化身と出会ったのだ。名をアークリンヴィイングと言い、自らの心臓を取り出して、オラヴァに渡したとされている。彼はそれを用いてファルスカールの南半分を温暖な気候に変えたのだ。そして今の住むのに適した地にしたという。」
そこで一息つき、その後の言葉をつむぐ。
アグナー「その変化が完了するまでに、五人の守護者らにより、観察されていた。その変化も終わり、心臓はもはや必要はなくなった。そのため安全に保存するために、五人の守護者らは、山々のどこかの部屋にそれを封印した。そこに入るためには5つの鍵が必要なのだ。」
「その封印された心臓を見つけたってことか。」
頷くアグナー。
アグナー「そうだ、しかしその封印を解くには鍵がいる。『統率の鍵』『富の鍵』『知恵の鍵』『力の鍵』『防護の鍵』だ。もしあいつがボルヴァルドを攻撃したのなら、その鍵を手に入れるためだ。」
地下墓地でのことを思い出す。
「そういえばイングヴァールの部下のオークがなんか鍵は手に入れたと……。」
「コルグリム……尊大で戦闘狂のオークか。もう事態は一刻の猶予もない!」
アグナーは大きく天を仰いで嘆く。
「すぐに皆を招集しよう。会議を始めねばならん。」
そう言って使いのものを出して、人を集める。
・
・
・
・
・
ぞろぞろと街の主要メンバーが集まる。
ウルガルにスヴェガルド、ソルロー修道士に、ロイズさんとクーロン。
ロイズ「集まるように言われましたが、どういうことなのでしょう。」
クーロン「イングヴァールについてだろうが、今後の事だろうな。」
アグナー「集まったか。皆、席についてくれ。」
各々が席に座る。
クーロン「俺はいい、後ろで聞かせてもらうぜ。」
ロイズ「あ、じゃあ俺も……。」
ロイズさんがこちらに席を譲る視線を送る。それに対して軽く首を振って後ろの柱にもたれかかる。
それを見て静かに優雅に席につくロイズ。
席につくということは会議にしっかり参加しなければならない、そういうのは苦手だ。
席についた各々をアグナーが見渡して声をかける。
アグナー「集まってもらったのは厄介な事になったからだ。」
スヴェガルド「どうした、アグナー?」
アグナー「イングヴァールが……ボルヴァルドを攻撃した。」
ウルガル「なんだと!?」
スヴェガルド「ならばどうしてこんなところで座っている?ボルヴァルド防衛の援護に向かわなければ!」
重々しく口を開くアグナーに、興奮するウルガルとスヴェガルド。
静かにそれを制しアグナーは言葉を続ける。
アグナー「諸君、手遅れなのだ……。ヤツの部下はあまりにも多い、向かったところで死が待ち構えているだけだ。ボルヴァルドは失われたのだ。」
拳で机を叩き、興奮した様子で立ち上がるウルガル。
ウルガル「あの野郎!あの町は俺たちの祖先が600年前に築いたものなんだぞ。ヤツは俺たちの歴史の一部を破壊しやがった!」
ソルロー「あの馬鹿げた建造物の心配をするとはお前らしいな!町に住んでいる人々の事はどうなんだ?」
ウルガルの言葉にソルロー修道士が侮蔑の含みを持たせて反抗する。
ウルガル「馬鹿げた、だと!?」
それに対しウルガルも真っ向からぶつかり合う。
ソルロー「確かに多くの無実の民が死んだのだぞ!彼らは……。」
そう言ってソルローがウルガルに対し厳しい口調で言葉を返し、ウルガルが激昂しそうになったその時、
クーロン「やめろ!」
大きくよく通る声が会議の机に響く。
クーロン「そんな議論している場合なのかい?イングヴァールとやらは今も戦争してるんだぜ?」
アグナー「そうだ、そして我々の伝統と無辜の民を傷つけている。」
その言葉に冷静さを取り戻したソルローとウルガルとスヴェガルドはばつの悪そうにイスに座りなおす。
ソルロー「どうしてヤツはそんなことをしたんだ?」
アグナー「そこにいる我々の友人が手に入れた情報によれば、ヤツは『神々の心臓』を捜し求めている。」
ウルガル「ああ、神よ……」今度は天を仰ぎ眼を瞑りつぶやく。
ソルロー「ヤツよりも先に鍵を手に入れなければ!イングヴァールが『神々の心臓』を手に入れてしまえば、ヤツは不死身となる。食い止めなければならない!」
さっきと打って変わって今度は焦った様子でソルローがイスから立ち上がる。
ウルガル「心臓なんて言い伝えや……、伝説だと思っていた……。」
ロイズ「しかし、いまや伝説は現実となり、戦争を起こしています。悠長なことを言っている場合ではありませんね。」
アグナー「そうだ、もう伝説は身近になっている。そこにいる『旅人』や『かの魔剣』。とにかく我々は伝説に相対せねばならない。彼が鍵を手に入れるためだけにボルヴァルドを攻撃したのであれば真実だろう。そして彼は鍵を手に入れている。」
スヴェガルド「それで、他の鍵は何処で手に入れられる?」
さすがのスヴェガルドも怒鳴る前に焦りのこもった声をあげる。
アグナー「一つだけはっきりとしていることがある。ヤルマ、こっちへ来てくれ。」
そう言ってアグナーは自分の妻、ヤルマをそばに呼ぶ。
アグナー「君の首飾りを頼む。」
何かを悟ったように頷くヤルマ。
ヤルマ「あなた、まさか……。」
心配させまいと優しく微笑むアグナー。
アグナー「ああ、大丈夫だ。ありがとう。」
そしてこちらの会議卓に向き直る。
アグナー「鍵はボルヴァルダーの女たちに代々受け継がれてきた。それで今も無事だ。」
スヴェガルド「なら、俺たちは一つの鍵を手にしたわけだな。」
ウルガル「そりゃいい。だが他の鍵は?」
少し安心したようにスヴェガルドとウルガルが応じる。
アグナー「ふむ、イングヴァールはボルヴァルドで『保護の鍵』を手に入れた。『富の鍵』はスタルガルデに保管されていたために、それも同様だろう。我々は今は『統率の鍵』を手にしている。」
(ロ、ロイズさん、オレよくわからなくなってきた。)
ロイズに耳打ちする。それに対しロイズは苦笑する。
(後で詳しく噛み砕いて話しますよ。)
それを見てクーロンはクックックと含み笑いをこぼす。
スヴェガルド「ならば、必要となるのは『知恵の鍵』と『力の鍵』ということだな?」
アグナー「その通りだ。問題なのは、それがどこにあるかということだ。」
ソルロー「それについては心当たりがある。『知恵の鍵』は宮廷魔術師が所有していた。我々のかつての修道院、カルランにあるに違いない。」
そのまま言葉を続けるソルロー。
ソルロー「『力の鍵』はヒョルガンナーの一族が所有していた。彼らが去った後もヒョルガンナー邸の墓所に封印されている可能性が最も高い。」
その言葉を聞いてウルガルが勢いよく立ち上がる。
ウルガル「ハッ!なら何をもたもたしている暇がある?」
頷くアグナー。
アグナー「良いだろう、時間が惜しい。二手に分かれよう。ソルロー、お前は私と共にカルラン修道院へ来てくれ。」
ソルローは頷く。次にアグナーはウルガルとスヴェガルドに眼を向ける。
アグナー「2人はヒョルガンナー邸へ。そして・・・。」最後にこちら3人に眼を向ける。
「オレたちはどうする?」
ロイズ「その二つの場所にどういった違いが?」
アグナー「そうだな、邸宅はおそらくドラウグルの住処だ。そしてカルラン修道院には噂によると死霊術士の住処になっているらしい。」
「どっちも嬉しくねぇ違いだな。」
ロイズ「ふむ・・・・・・。」深く考え込むロイズ。そしてこちらを見つめる。
ロイズ「リコリスちゃん、あまり君を戦いに出したくはありません。でも、事は一刻を争うようです。」
「ああ、大丈夫だ。オレはいけるぜ。」
ロイズ「すみません、ではリコリスちゃんはアグナーさんたちと共にカルラン修道院へと向かってください。」
クーロン「じゃあ、俺とあんたがヒョルガンナー邸だな。」
確かにオレでは死体のドラウグルには効果が薄いかもしれない。
まだ生きてる相手のほうが戦いやすいだろう。
ウルガル「俺たちに遅れないようにな。」そう言って大声で笑う。
クーロン「あまり舐めないほうがいいぜ、こちらの旦那のナイフは鋭く速いぜ。」
ロイズ「やめてください、クーロンさん。」
アグナー「では鍵を手にしたらここで落ち合おう。」
7人は急いで各々の用意をしに屋敷を出る。
・
・
・
・
・
・
~アンバーホールド・大通り~
自分はマントを取りに戻り、軽く食事を済ませた後、大通りにて3人集まる。
ロイズ「リコリスちゃん、決して無理はしないように。」
クーロン「こっちは安心しな、ばっちり鍵果てに入れてくるぜ。」
頼もしい二人に片方は任せられる安心感。
「ああ、オレもばっちり!鍵は手に入れて見せるぜ。」
そうして3人は別々の方向へと歩き始める。
オレの目指すはカルラン修道院。
足に力を込め、いつものように人ならざる速度を出す。
その背では新たな戦いを前にストームブリンガーが愉悦を感じるように蠢くのでした。
~あとがき~
またしても文章多めですみません。
ほぼ文章もゲーム中そのままの手抜きです。
基本的にロイズ君や、クーロンさんが会話に入る部分だけは改変ありです。
それを防ぐためにこちらも動き始める46話です。
~アンバーホールド・アンバーミードの宿~
意識が戻る。
体中が痛いが、どうやらベッドに寝かされているようだ。
「いてて……ここはアンバーホールドの宿か……。」
自分の身体を省みる。
傷はストームブリンガーを手にしてから傷ついたことはないが、さすがに無理がたたったようで体中が痛い。
というか……。
「な、なんで裸……!?」
慌ててあたりを見渡す。
人影はなく見られてはいない。
ベッドの横に置いてあった鎧を痛む身体に無理やり着ける。
部屋を出るとこちらに視線が向く気配がする。
ロイズ「リコリスちゃん!眼が覚めたようですね。」
クーロン「怪我はなさそうだな、食いもんは用意してあるぜ。」
なんだかとても懐かしい気がする。
「あ、ああ、大丈夫だ。体中が痛ぇが問題ねぇぜ。」
深く考え込むロイズ。
ロイズ「その剣の文献は読んでいます。その剣が魂を吸えばその力はリコリスちゃんに流れ、リコリスちゃん自身の活力になるはずなのですが……。」
地下墓地での顛末を話す。
それを聞いたロイズさんの仮説はこうだ。
ストームブリンガーとの一つの契約を越えてしまったオレは魂を半ば乗っ取られたらしい。
本来ならそのままストームブリンガーの意思のまま殺戮衝動に囚われていたはずだが、
そこからなんとか自分の意思を取り戻したことで、ストームブリンガーとオレ自身の魂がせめぎ合っている状態のようだ。
「でも、その前から体の調子悪かったぜ?」
ロイズ「おそらく、少しづつストームブリンガーとの同一化が始まっていたのかもしれません。このまま使えば完全に乗っ取られるかも……。ストームブリンガーにこれ以上身を委ねてはいけません。」
言われて見れば……、何度もそんなことを夢の中のあいつは言ってた気がする。
『お前の魂はどんどん私と同一化している。』
まさかここでそんな厄介ごとを抱え込むとは……。
「わかった、気をつけるぜ。でも、今はオレも戦わねぇと……。」
ロイズ「そういえば、リコリスちゃんが起きたら報告して欲しいと首長が話していましたよ。」
「ん、わかった。報告行ってくる。」
思わず体がぐらりと揺れる。クーロンが受け止めてる。
クーロン「おいおい、大丈夫か?俺達が代わりに行ってやろうか?」
「いや、大丈夫。すまねぇ。」
体中が軋むが押して歩く。
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~アグナーの屋敷~
「アグナー、待たせちまった。わりぃ。」
地図に視線を落としていたアグナーはこちらに気がつき声をかける。
アグナー「おお、友よ。身体は大丈夫か?」
それに対して軽く頷き本題に入る。
「イングヴァールの軍がボルヴァルドを攻撃して破壊した。」
アグナー「なんだって?くそったれ!襲撃の前にヴァルフレッドとは話せたか?」
冷静で落ち着いたアグナーにしては珍しく怒りを見せる。
「イングヴァールは『神々の心臓』とかいうのを手に入れようとしていると言ってたぜ。」
驚愕の面持ちのアグナー。
アグナー「ヤツは……ヤツは心臓を見つけた、という事か?我々が何百年も探しても見つからなかったというのに……。」
「その『神々の心臓』ってのはなんなんだ?」
質問に対しアグナーはぽつぽつと話してくれた。
アグナー「ずっと昔、我々の祖先がこの土地に来た時、我々のその民は死に瀕していた。この島全体は固く凍えるほどの寒さだったのだ。今はオラヴァの旅として知られている。」
「でも今のファルスカールはスカイリムに比べて暖かいぜ?」
それに対してアグナーは頷く。
アグナー「うむ、その時オラヴァはショールの化身と出会ったのだ。名をアークリンヴィイングと言い、自らの心臓を取り出して、オラヴァに渡したとされている。彼はそれを用いてファルスカールの南半分を温暖な気候に変えたのだ。そして今の住むのに適した地にしたという。」
そこで一息つき、その後の言葉をつむぐ。
アグナー「その変化が完了するまでに、五人の守護者らにより、観察されていた。その変化も終わり、心臓はもはや必要はなくなった。そのため安全に保存するために、五人の守護者らは、山々のどこかの部屋にそれを封印した。そこに入るためには5つの鍵が必要なのだ。」
「その封印された心臓を見つけたってことか。」
頷くアグナー。
アグナー「そうだ、しかしその封印を解くには鍵がいる。『統率の鍵』『富の鍵』『知恵の鍵』『力の鍵』『防護の鍵』だ。もしあいつがボルヴァルドを攻撃したのなら、その鍵を手に入れるためだ。」
地下墓地でのことを思い出す。
「そういえばイングヴァールの部下のオークがなんか鍵は手に入れたと……。」
「コルグリム……尊大で戦闘狂のオークか。もう事態は一刻の猶予もない!」
アグナーは大きく天を仰いで嘆く。
「すぐに皆を招集しよう。会議を始めねばならん。」
そう言って使いのものを出して、人を集める。
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ぞろぞろと街の主要メンバーが集まる。
ウルガルにスヴェガルド、ソルロー修道士に、ロイズさんとクーロン。
ロイズ「集まるように言われましたが、どういうことなのでしょう。」
クーロン「イングヴァールについてだろうが、今後の事だろうな。」
アグナー「集まったか。皆、席についてくれ。」
各々が席に座る。
クーロン「俺はいい、後ろで聞かせてもらうぜ。」
ロイズ「あ、じゃあ俺も……。」
ロイズさんがこちらに席を譲る視線を送る。それに対して軽く首を振って後ろの柱にもたれかかる。
それを見て静かに優雅に席につくロイズ。
席につくということは会議にしっかり参加しなければならない、そういうのは苦手だ。
席についた各々をアグナーが見渡して声をかける。
アグナー「集まってもらったのは厄介な事になったからだ。」
スヴェガルド「どうした、アグナー?」
アグナー「イングヴァールが……ボルヴァルドを攻撃した。」
ウルガル「なんだと!?」
スヴェガルド「ならばどうしてこんなところで座っている?ボルヴァルド防衛の援護に向かわなければ!」
重々しく口を開くアグナーに、興奮するウルガルとスヴェガルド。
静かにそれを制しアグナーは言葉を続ける。
アグナー「諸君、手遅れなのだ……。ヤツの部下はあまりにも多い、向かったところで死が待ち構えているだけだ。ボルヴァルドは失われたのだ。」
拳で机を叩き、興奮した様子で立ち上がるウルガル。
ウルガル「あの野郎!あの町は俺たちの祖先が600年前に築いたものなんだぞ。ヤツは俺たちの歴史の一部を破壊しやがった!」
ソルロー「あの馬鹿げた建造物の心配をするとはお前らしいな!町に住んでいる人々の事はどうなんだ?」
ウルガルの言葉にソルロー修道士が侮蔑の含みを持たせて反抗する。
ウルガル「馬鹿げた、だと!?」
それに対しウルガルも真っ向からぶつかり合う。
ソルロー「確かに多くの無実の民が死んだのだぞ!彼らは……。」
そう言ってソルローがウルガルに対し厳しい口調で言葉を返し、ウルガルが激昂しそうになったその時、
クーロン「やめろ!」
大きくよく通る声が会議の机に響く。
クーロン「そんな議論している場合なのかい?イングヴァールとやらは今も戦争してるんだぜ?」
アグナー「そうだ、そして我々の伝統と無辜の民を傷つけている。」
その言葉に冷静さを取り戻したソルローとウルガルとスヴェガルドはばつの悪そうにイスに座りなおす。
ソルロー「どうしてヤツはそんなことをしたんだ?」
アグナー「そこにいる我々の友人が手に入れた情報によれば、ヤツは『神々の心臓』を捜し求めている。」
ウルガル「ああ、神よ……」今度は天を仰ぎ眼を瞑りつぶやく。
ソルロー「ヤツよりも先に鍵を手に入れなければ!イングヴァールが『神々の心臓』を手に入れてしまえば、ヤツは不死身となる。食い止めなければならない!」
さっきと打って変わって今度は焦った様子でソルローがイスから立ち上がる。
ウルガル「心臓なんて言い伝えや……、伝説だと思っていた……。」
ロイズ「しかし、いまや伝説は現実となり、戦争を起こしています。悠長なことを言っている場合ではありませんね。」
アグナー「そうだ、もう伝説は身近になっている。そこにいる『旅人』や『かの魔剣』。とにかく我々は伝説に相対せねばならない。彼が鍵を手に入れるためだけにボルヴァルドを攻撃したのであれば真実だろう。そして彼は鍵を手に入れている。」
スヴェガルド「それで、他の鍵は何処で手に入れられる?」
さすがのスヴェガルドも怒鳴る前に焦りのこもった声をあげる。
アグナー「一つだけはっきりとしていることがある。ヤルマ、こっちへ来てくれ。」
そう言ってアグナーは自分の妻、ヤルマをそばに呼ぶ。
アグナー「君の首飾りを頼む。」
何かを悟ったように頷くヤルマ。
ヤルマ「あなた、まさか……。」
心配させまいと優しく微笑むアグナー。
アグナー「ああ、大丈夫だ。ありがとう。」
そしてこちらの会議卓に向き直る。
アグナー「鍵はボルヴァルダーの女たちに代々受け継がれてきた。それで今も無事だ。」
スヴェガルド「なら、俺たちは一つの鍵を手にしたわけだな。」
ウルガル「そりゃいい。だが他の鍵は?」
少し安心したようにスヴェガルドとウルガルが応じる。
アグナー「ふむ、イングヴァールはボルヴァルドで『保護の鍵』を手に入れた。『富の鍵』はスタルガルデに保管されていたために、それも同様だろう。我々は今は『統率の鍵』を手にしている。」
(ロ、ロイズさん、オレよくわからなくなってきた。)
ロイズに耳打ちする。それに対しロイズは苦笑する。
(後で詳しく噛み砕いて話しますよ。)
それを見てクーロンはクックックと含み笑いをこぼす。
スヴェガルド「ならば、必要となるのは『知恵の鍵』と『力の鍵』ということだな?」
アグナー「その通りだ。問題なのは、それがどこにあるかということだ。」
ソルロー「それについては心当たりがある。『知恵の鍵』は宮廷魔術師が所有していた。我々のかつての修道院、カルランにあるに違いない。」
そのまま言葉を続けるソルロー。
ソルロー「『力の鍵』はヒョルガンナーの一族が所有していた。彼らが去った後もヒョルガンナー邸の墓所に封印されている可能性が最も高い。」
その言葉を聞いてウルガルが勢いよく立ち上がる。
ウルガル「ハッ!なら何をもたもたしている暇がある?」
頷くアグナー。
アグナー「良いだろう、時間が惜しい。二手に分かれよう。ソルロー、お前は私と共にカルラン修道院へ来てくれ。」
ソルローは頷く。次にアグナーはウルガルとスヴェガルドに眼を向ける。
アグナー「2人はヒョルガンナー邸へ。そして・・・。」最後にこちら3人に眼を向ける。
「オレたちはどうする?」
ロイズ「その二つの場所にどういった違いが?」
アグナー「そうだな、邸宅はおそらくドラウグルの住処だ。そしてカルラン修道院には噂によると死霊術士の住処になっているらしい。」
「どっちも嬉しくねぇ違いだな。」
ロイズ「ふむ・・・・・・。」深く考え込むロイズ。そしてこちらを見つめる。
ロイズ「リコリスちゃん、あまり君を戦いに出したくはありません。でも、事は一刻を争うようです。」
「ああ、大丈夫だ。オレはいけるぜ。」
ロイズ「すみません、ではリコリスちゃんはアグナーさんたちと共にカルラン修道院へと向かってください。」
クーロン「じゃあ、俺とあんたがヒョルガンナー邸だな。」
確かにオレでは死体のドラウグルには効果が薄いかもしれない。
まだ生きてる相手のほうが戦いやすいだろう。
ウルガル「俺たちに遅れないようにな。」そう言って大声で笑う。
クーロン「あまり舐めないほうがいいぜ、こちらの旦那のナイフは鋭く速いぜ。」
ロイズ「やめてください、クーロンさん。」
アグナー「では鍵を手にしたらここで落ち合おう。」
7人は急いで各々の用意をしに屋敷を出る。
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~アンバーホールド・大通り~
自分はマントを取りに戻り、軽く食事を済ませた後、大通りにて3人集まる。
ロイズ「リコリスちゃん、決して無理はしないように。」
クーロン「こっちは安心しな、ばっちり鍵果てに入れてくるぜ。」
頼もしい二人に片方は任せられる安心感。
「ああ、オレもばっちり!鍵は手に入れて見せるぜ。」
そうして3人は別々の方向へと歩き始める。
オレの目指すはカルラン修道院。
足に力を込め、いつものように人ならざる速度を出す。
その背では新たな戦いを前にストームブリンガーが愉悦を感じるように蠢くのでした。
~あとがき~
またしても文章多めですみません。
ほぼ文章もゲーム中そのままの手抜きです。
基本的にロイズ君や、クーロンさんが会話に入る部分だけは改変ありです。
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